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犬の去勢・避妊手術後の体重管理

アメリカでは、ペットとして飼われている犬のおよそ65%が去勢・避妊手術を済ませています。(Oxford-Lafayette Human Society調べ)

日本においても、犬の病気を未然に防いだり、交配のコントロールをするために、犬の去勢・避妊手術を子犬の幼い時期に済ますブリーダーや飼い主が増えています。

去勢手術をすると精巣の腫瘍や会陰ヘルニアなど、避妊手術では卵巣腫瘍や乳腺腫瘍などの病気を予防できるというメリットもありますが、生殖機能を失うことで、体重が増えてしまうというデメリットもあります。

これから去勢・避妊手術を控えている、または去勢・避妊を済ました犬にはどのような体重管理が大切なのでしょうか。

体重増加の原因

去勢・避妊手術後は、オス犬もメス犬も太りやすい傾向があることが分かっています。

またこれは犬だけではなく猫の手術でも共通していることなので、飼い犬が手術後に体重が増加し始めても、すぐに心配する必要はありません。

ホルモンバランスの崩れ

メス犬

メス犬の避妊手術では卵巣と子宮の除去手術を行うため、今まで体内で作り出されていた女性ホルモンの一種である、エストロゲンやプロゲステロンの量が急激に減ります。

エストロゲンの分泌は脳に満腹感を伝える役割をしているのですが、このホルモンが著しく低下することにより、伝達機能がおとろえ、食欲増加につながるのです。これは人間の女性にも共通していることで、エストロゲンをいかに低下させずにダイエットをするかなどという記事をよく目にします。

オス犬

オス犬の去勢手術では精巣(睾丸)を除去するため、男性ホルモンの一種であるテストステロンの分泌が一気に下がります。

性に対する関心がなくなることで、興味が食欲にうつり、体重が増える傾向にあるようです。ホルモンバランスの崩れにより、脂肪がつきやすくなることも分かっています。

基礎代謝の低下

生殖機能を失うことにより、発情や生殖行動に費やしていたエネルギーが必要なくなるとともに、基礎代謝も低下するので、1日の消費カロリーが少なくなります。そのため、今まで通りの食事量を与えていると、摂取カロリー過多になり、太りやすくなってしまうということです。

体力の低下

ホルモンレベルの低下が体力の低下にもつながります。手術後は特に体のだるさなどから運動をいやがる犬も多く、食欲旺盛なのに運動不足という悪循環につながってしまうようです。

手術直後は傷口を悪化させないために激しい運動は控えた方がよいですが、散歩は特に影響はないようなので、術後、少しづつ体力を回復させていくことが大事です。

去勢・避妊後の体重増加の対処法

手術後に多くのわんちゃんが体重増加に悩むことが分かっていますが、その後に、ちゃんとしたケアをしないと、肥満・糖尿病・甲状腺の機能低下など深刻な病気になってしまう恐れがあります。特に手術後の2年間は適切な食事、食事法、適度な運動が重要なカギとなります。

食事(ドッグフード)

まずは食事(ドッグフード)での体重管理が1番の基礎になります。

カロリーコントロール

手術後はダイエットドッグフードを勧められることも多いようですが、ダイエット用の物でなくても、低脂肪・低カロリーの物を探してみましょう。例えば炭水化物に玄米を使用していたり、低カロリーで栄養価の高いスーパーフードとよばれるキノアやチアシードが含まれているものもあります。

また、今食べさせているドッグフードの量を調節することでもカロリーコントロールは可能です。

高タンパク質

子犬の時に避妊・去勢手術を済ませる犬が多いことから、まだ成長過程にあることがほとんドだと思います。そのため、タンパク質の量は減らさずに良質な物を摂ることが大切です。

タンパク質の中でも、カロリーが低めのチキンやターキーなどを使用して作られているドッグフードがおすすめです。

食物繊維

手術後に勧められているドッグフードで多くみられる特徴には食物繊維が多く含まれている物も多くあります。

「食物繊維=穀物」と連想して、穀物は肉食の犬には悪いものと決めつける人がいますが、穀物が必ずしも悪いわけではありません。

小麦やトウモロコシといった安価な穀物は犬の消化によくないですが、豆類・米・サツマイモなどの食物繊維は、犬にとっては上質で、食べ物の消化を助けて、腸内環境の健康を維持する効果があります。

腸内環境が活発になると消化も促進されて、太りにくい体質に改善されます。

適切な食事法

獣医さんが推奨しているのは、なるべくドッグフード以外の物を与えないこと。特に食欲が旺盛になる手術後は様々な食事を与えてしまうと、選り好みして自分の好きな物だけ食べるようになってしまいます。

普段使用しているドッグフードの量を減らしてカロリーコントロールするのでは満腹にならないわんちゃんには、体重が安定するまでは低カロリーの物を同じ容量分与えるように、わんちゃんに合わせて適切な食事法が必要です。

また1日の食事を3回以上にわけて、何回も与えて満腹感をあたえるような食事療法もあります。

適度な運動

食事環境がしっかり整ったら、体調をみて適度な運動をすることが大切です。高タンパク質のドッグフードを与えながら、運動することによって、脂肪が減り、筋肉量を増やすことにより、基礎代謝をあげることができます。

また運動により、消化の働きをよくして、余分なカロリーを蓄積しないようにとどめることもできます。

参考サイト
愛犬シルバー手帳:http://www.directone-shop.jp/
Oxford-LafayetteHuman Society:http://www.oxfordpets.com/
Dog Food Advisor:https://www.dogfoodadvisor.com/

執筆:かなぴー

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