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飼い主をサポートする介助犬「サービスドッグ」とは?

サービスドッグをご存知ですか?

街中で盲導犬を見かけたことがある方も多いと思うのですが、サービスドッグとは飼い主をサポートするために訓練された介助犬のことを指し、盲導犬とはちょっと違います。

サービスドッグ(介助犬)は、ケージにいれたりお金を支払うことなく公共交通機関を利用できたり、病院や役所などの公共施設に連れて行くことができます。

障害を持つ人にとって助けとなるサービスドッグ(介助犬)ですが、ここ数年アメリカでは「サービスドッグの定義や役割」をちゃんと理解せず、自分のペットを色んなところに連れて行く飼い主が増えてしまい、問題となるケースがあります。

日本とアメリカのサービスドッグの違い

日本では厚生労働省によって定められている盲導犬・介助犬・聴導犬の「身体障害者補助犬」がサービスドッグとなります。

一方、アメリカではADA(The Americas with Disabilities Act)/障害を持つアメリカ人法によって、身体の障害以外にも、精神的な障害を支えるために訓練を受けている犬もサービスドッグとして認められています。

この精神的病気をサポートするためのサービスドッグが、セラピードッグやエモーショナルドッグと混同され、問題となっています。

日本語で書かれているサイトでは全てまとめてサービスドッグとして訳されていることも多いのですが、この記事ではADAが定めている「サービスドッグ」をもとに書いていきます。

身体障害補助犬の役割をご存知の方は多いと思うので、サービスドッグの中でも精神障害を持つ飼い主をサポートする犬を紹介します。

サービスドッグの定義

  • 日本:盲導犬、聴導犬など「身体障害者の補助犬」
  • アメリカ:身体障害者の補助件、精神的な障害の補助犬

精神的なサポートするサービスドッグ

アメリカで精神的なサポートをするサービスドッグは以下のようなものがあります。

  • 精神障害者サービスドッグ
  • 自閉症サービスドッグ
  • アラートドッグ

精神障害サービスドッグ(Psychiatric Service Dogs= PSDs)

精神障害と診断された飼い主をサポートする犬のことをさします。

PTSD(心的外傷後ストレス障害)・パニック障害・鬱病等が最も多いケースです。他にも当てはまる精神障害や病気はあるのですが、PSDsはあくまでも医師から精神障害と診断された人を助けるための介助犬です。

アメリカではPTSDに苦しむ軍人をサポートするために多くの犬が活躍しているケースもあるようです。

主な役割

  • 発作や症状を発症した飼い主に変わって薬をとりにいく
  • 薬をのむための水を冷蔵庫などから取り出して飼い主に渡す
  • 救急隊が家に着いたときにドアをあける、等

自閉症サービスドッグ(Autism Service Dogs)

自閉症に苦しむ飼い主をサポートする介助犬です。

自閉症は感覚上手に処理することができない障害とされています。そのため、飼い主の目や耳となり、危険を察知する他にも、こころのサポートをする介助犬です。

主な役割

  • 飼い主と触れ合うことにより、気持ちを落ち着けたり、飼い主が本人以外の世界と交流をもつ手助けをする
  • 自傷行為やパニック発作を止める、等

アラートドッグ

犬は人間よりも嗅覚・聴覚が優れています。
参考【犬の味覚】犬はどこで味(美味しさ)を感じているのか?

人間が気づかないような飼い主のちょっとした体調の変化を、ニニオイや音で聞き分け、てんかん発作や低血糖発作等の発作を事前に予知したり、発作を起こした飼い主を助けることができます。

主な役割

  • 発作が起こる前の飼い主の匂いや、行動の違いを察知して、安全な場所に連れて行ったり、助けを呼びにいく
  • 発作を起こしているまたは起こした飼い主の体を支えて、気道を確保する
  • K9Phoneという特別な犬用の電話で助けを呼ぶ、等

サービスドッグとして認められていない介助犬

日本よりも犬の介助が認められているアメリカですが、サービスドッグとして認められてないケースもあります。

  • セラピードッグ
  • エモーショナルドッグ

これらの犬は飼い主の不安やストレスを緩和する為などに訓練された犬のことをさします。

このようなサービスドッグも訓練を受け、人を助ける介助犬として働いているのですが、ADAではこれらの犬は「サービスドッグ」として認められていません。そのため、交通機関や公共施設で立ち入りを断られる場合があります。

サービスドッグの認定

ADAによって定義や役割がしっかりと定められているサービスドッグですが、実はその基準は最低限のものしかなく、とても曖昧であることが現状です。

訓練

訓練はプロの訓練師、訓練機関だけではなく、飼い主や家族など個人で訓練を行った犬もサービスドッグとして認められます。

訓練期間

最低120時間の訓練を6ヶ月以上の間に受けていること。
30時間以上の実施訓練(公共施設や道路などでの訓練)を終わらせていること。

しつけ

以下の5つの指示(言葉でも動作でも)を理解し従えること。

  1. Sit(おすわり)
  2. Stay(まて)
  3. Come(こい)
  4. Down(ふせ)
  5. Heel(そばに付いて)

リードにつなげていない場合に呼んだら、すぐに飼い主のもとにくること。

問題点

現時点では最低限の基準しか決まっていないために、プロの訓練機関を通して訓練された犬と個人で訓練された犬のレベルが大きく異なることもあります。

サービスドッグはIDの所持やベストを着用することが推奨されていますが、義務づけられているわけではありません。またIDやベスト・ハーネスはオンラインで簡単に購入することができるのです。

また国や決められた機関による訓練修了証や認定証を発行していません。

アメリカ全体で起こっているサービスドッグの問題

前頭でも書きましたが、今、アメリカでは自分のペットを介助犬として訓練し、どこにでも連れて行く人が増えています。

飛行機の機内でも、本当にサービスドッグとしての役割を果たしているのか疑問に思うような犬が搭乗していたり、スーパーやレストランなどの食品を扱うお店でも、平然と犬が歩き回る光景をみかけます。

精神的なサポートも「介助犬」として認める点では日本よりも進んでいると言えますが、飼い主を身体的、精神的に介助している犬とは言えないような犬がサポートドッグとなっている場合もあり、サポートドッグとしての定義をはっきりさせるなど、まだまだ改善の必要があるようです。

参考文献
外部サイト厚生労働省「身体障害者補助犬」:http://www.mhlw.go.jp/
外部サイトADA:http://www.iaadp.org/
外部サイトNOLO:http://www.nolo.com/

執筆:かなぴー(アメリカ在住)

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