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州ごとで異なる犬の法律と条例

アメリカはその国土の広さから、州や自治体ごとの法律があり、隣同士の州でも全く異なる法律があるのが、ユニークでおもしろいところのひとつだと思います。

昨年(2016年)のアメリカ大統領選と同時に行われたカリフォルニア州法の投票では、マリファナの使用が合法になったり、スーパーのレジ袋が有料になりました。

飼い犬に関する法律も州ごとに異なり、自分の住んでいる州では当たり前にしていることでも、他の州では法律に触れてしまうことがあります。

犬に関する法律のことを英語では「Dog Law」または「Ordinance(条例)」と呼びます。今回は、州によって変わる法律や条例の違いについてご紹介します。

犬のライセンス登録

ほとんどの州では、ペットとして飼う犬のライセンス登録が法律によって義務づけられています。

ただ登録の細かい内容は、州内でも郡や市などの自治体によってルールが異なるところがあり、1年ごと~3年ごとに更新する必要があります。

ライセンス登録を義務づけていない自治体の方が少ないので、探すのが難しいのですが、テキサス州のサンアントニオでは犬のライセンス登録は義務づけられていません。しかしヒューストンなどの同じ州内の他の都市では義務づけられている場合もあるので、住んでいる自治体のウェブサイトで確認するのがいいと思います。

リード法(Leash Law)

州ごとによる細かいルールの違いがみられるのは、この「リード(散歩の紐)に関する法律」だと思います。

リード法律の厳しい州

飼い主の所有する私有地以外の場所において「飼い犬は常にリードにつながれていないといけない」と、きっちりと法律によって定められているのは、意外なことにペンシルベニア州とミシガン州のみの2州です。

このような州では猟犬として働く犬も多いことから、猟犬と一般の飼い犬を区別するために、リードにつなぐことを義務づける条例があるようです。

場所によって決まりのある州

自然保護や絶滅危惧の植物や動物を守る目的から、指定された区域でのリードの使用を義務づけているところがあります。

アリゾナ州にあるグランドキャニオン国立公園を訪れた際に、犬を連れて入ってもいいエリアと立ち入り禁止のエリアがはっきりと記載されてありました。

定めている州:アリゾナ、アラバマ、ニューハンプシャー等

時間によって決まりのある州

安全面の考慮から、日の入りから日の出までの、暗くなる時間帯にどこにいてもリードを使用しなければいけない法律もあります。

ニューヨーク州では日の入りから日の出1時間後までと厳しい時間の制限をしています。

定めている州:ケンタッキー、ニューヨーク等

犬の逃走に関する法律(Running at large)

リードの使用に関する法律が2つの州でしか定められていないというのを不思議に思った方も多いと思いますが、その理由は犬の逃走に関する法律が多くの州で定められているからです。

これはリードにつないでいることだけが、飼い犬をコントロールすることができるわけではないという考えが根本になっています。確かに、いくらリードをつけていても、飼い主がリードをはなしてしまい、犬が逃走して人や物に危害を与えてしまったら危ないですよね。

そのため、リードの法律が無い代わりに、犬がドッグパーク等の施設以外の場所で自由に走りまわることを禁止しています。

定めている州:ミシシッピ、ニューヨーク、カリフォルニア、オハイオ、オクラホマ、オレゴン、サウスカロライナ、バージニア、ワイオミング、ウィスコンシン等

性別による法律(Dogs in heat)

妊娠中や発情期(Dogs in heatという表現をします)の間、メス犬はドッグパーク、ドッグ同伴型施設、ペット可宿泊施設の使用を禁止しているところもあります。

定めている州:アリゾナ、メリーランド、ニューヨーク、ミズーリ等

犬種に関する法律

特定の犬種(主にピットブル)をブリードまた飼育することを禁止している自治体があります。調べたところ、州全体で禁止しているところはないようです。

禁止している自治体がある州:コロラド、フロリダ、アイオア、カンザス、ミシガン、メリーランド、テネシー、ワシントン等

ペットの数に関する法律

騒音や衛生的な問題からペットの数を制限している州もあります。

カンザスでは特別な許可を持つブリーダー等以外の個人飼い主が6ヶ月以上の犬や猫を2匹以上飼うことを禁止しています。

イリノイ州のカーペンターズビルではひと家族が飼育できるペットの数は2匹までと決められています。

没収法(Impounding)

これは飼い主と裁判所が一番もめる原因となる条例です。一般的な理由は犬がリードなしで、さまよっていた場合、その自治体や管轄区は飼い犬であっても、その犬を捕まえて、没収することができます。

また州によっては、その犬が危害を加える可能性や、狂犬病感染の恐れがある場合は殺処分してもいいという法律もあります。

もし飼い犬が迷子になってしまっても、ライセンス登録やマイクロチップをいれることによって、こういった最悪の事態を避けることがでるので、州の法律で定めていなくても、ライセンス登録やマイクロチップ導入は必ず実施した方がいいでしょう。

ここで紹介した他にも、細かい規則の違いはたくさんあります。場所によっては、宗教的な要素から定められている動物法もあり、日本のように「一般常識、常識の範囲内」という観念がない分、アメリカは条例によって厳しく取り締まる必要があるように感じます。

参考サイト
Animal Law:http://www.animallaw.com/

Animal legal and historical center:https://www.animallaw.info/

執筆:かなぴー

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